肝門部領域胆管癌の多くは、診断時に切除困難・不能であることが多く、切除不能症例の生命予後は極めて不良で、5 年生存率は数%~10%前後に留まる。近年、これらの患者に対し集学的治療の一環として肝移植を行うことで、飛躍的に治療成績が向上したことが欧米を中心に示されている。本研究においては、現在、本邦に於いては肝細胞癌と肝芽腫のみに適応とされている悪性腫瘍に対する生体肝移植を、切除不能な肝門部領域胆管癌症例に行い、周術期の安全性並びにその後の臨床経過を3 年間にわたり追跡し、再発率、生存率を評価する。
・主要評価項目:
切除不能(切除可能境界含む)な肝門部領域胆管癌の生体肝移植後の3 年全生存率
・副次評価項目:
<有効性評価項目>
移植群と非移植群との比較を含め以下の指標
1)切除不能な肝門部領域胆管癌に対する生体肝移植術の短期手術成績、2)移植群の腫瘍再発率、再発形式、再発後治療、3)移植群の腫瘍再発以外の有害事象の有無と治療内容、
4)移植群の3 年無再発生存率、3 年グラフト生存率、5)移植群および非移植群における術前治療の効果、6)移植群および非移植群における術前治療の安全性、7)非移植群の割合、患者背景、治療内容および効果、3 年生存率
(注)先進医療技術名に * 印がついているものは、「第3項先進医療技術」を表しています。